最高の集い方
最高の集い方
プリヤ・パーカー 著
関 美和 訳
本書について
ファシリテーターである著者による、「意味のある」集いとは何か。それには何が必要で、だれが必要で何をしたいかを掘り下げながら、
その集まりの重要性を説いていきます。
●本書をおすすめする理由
イベント・カンファレンス・パーティ。多様に集いは存在しますが、小さくともその一回一回のセッションでも集まりの定義がありますし、
もとより、本書を見つけた際に、意味として「誰となにをやるか」に根差しているな、と感じた次第です。
本書内から、抜粋しますと、
・あえて門戸を閉ざす
「誰でも参加して良い」というのは、主催側の目的意識のゆるさにある。
「どんな人にその目的を届けるか」に焦点を当てなければ、集まりの質が低下するし、また、集まった人々へも充分な価値は与えられないということだと思います。
質の高い集まりはダイバーシティを形成し、
全然狭くないですね。
”みんな家族だってことは、誰も家族じゃないってことよ”
本書にて紹介されていましたが、うまく要約されていておもしろいと感じました。
・「特殊性と独自性」の要素に拘る
「目的を持つということは、なぜ集まるのかを知ることであり、そのもとに集まってくれた参加者に敬意を示すことでもある。」(本書内抜粋)
テーマが絞り込まれ、特殊であるほど、そこに注がれる情熱や想いは強くなり、他の人が開催する同じようなタイプの集まりとどう違うのかが鮮明になり独自化する。
(再現性は保持しつつ、依存はしない)
まさに、目的意識を持つことの重要性を感じさせます。
本書はその外にも実践知としてのキーワードがありますので、参考になるかと思います。(所感に差があるので抜粋のみ)
・望ましい行動を引き出し、望ましくない行動を抑えるような会場を選ぶ「古城の法則」
・「裏方に徹する」という勘違い
やはり、すべての人から満足を得ようとすると、軸がブレてしまいます。
狭く、小さくても良いから、そこで始まるコミュニティには絶対的な価値を届ける。
そんなことを考えてこれから自分の道を進んでいきたい、と考えながら読んでみました。
読んでいただきありがとうございました。
ご参考になれば嬉しいです!
#ビジネス#コミュニティビジネス#キーエンス#価値提供#スモールビジネス
「「0から1」の発想術」
大前研一 著
●本書について
ビジネスマンの「個」としての強さを強固なものにするために必要な発想力。
無から有を作り出すイノベーション術を、
まさに大前流と言える、11の発想法として紹介しています。
●本書をおすすめする理由
まずとても読みやすいと感じたこと、
回りくどい解説や難解な言葉もなく、淡々とした流れがとても気持ちが良かったです。
発想力を養う術としてロジカルに記されており、余計なものは何もないです。
本書内の11の発想法からの視点をいくつか。
固定概念にとらわれず、外からものを見る。
自分の会社をつぶす方法を考える視点
常にエッジを効かせる為に、外を見る癖とそこから見出す情報格差を見抜いてサヤを抜くということだと思いました。
・早送りの発想
全ての「新しい概念」はすでに存在している(世界のどこかにある)と考える
今あるものから先送りしたものを見ようとする癖をつける。
そもそも、おっ、と思ったこと(兆し)を探す力が必須であると読みながら感じました。
探す力を養う一つは実践。真似事でも実践から兆しを見出せる。ただし、パクリを慣らさないことは別で重要かなと思いました。
・中間地点の発想
A.B2つの方法に対し、その中間をポジショニングすることで差別化を図る
スタジオでも大人のみ、キッズのみは結構ありますが、どちらもOK(キッズスペース完備等)のようなのは意外と少ないんですよね。
と他にもスッと入ってくる「気ーワード」が8項目もあります。
是非お手に取ってみてください。
シンクロニシティ‐未来をつくるリーダーシップ‐
ジョセフ・ジャウォースキー 著
金井 寿宏・野津 智子 訳
●本書について
今だというときに相互に関連する出来事が偶然のように起こること。
運を引き寄せるように捉えがちですが、必要なコミットメント(一心に取り組む姿勢)・共存・共生がそれらを生み出していることを体現した一冊です。
また、リーダーシップを育む「行動」ではなく、「在り方」へ矢印を向けた一冊です。
●本書をお勧めする理由
部分的なリーダーシップ論ではなく、自分という存在がどう在るべきか、
という点にフォーカスしている本書は刺さるものがありました。
むしろ、読了されている方も多いのではないでしょうか。と思ってしまいます。。
本書では、
・自分という存在の認知
・一心に取り組む姿勢
・他との相互関連性(つながり)の影響
大きく3点かなと認識しました。
自分という存在の認知
本書の引用ですと、「きみという存在は、人類の全体だ」。
あらゆるものはあらゆるもののなかに含まれるという認知が必要である。
自分がこの世界・宇宙に含まれるという根源的な意識の深みはさらに必要かなとおもいました。
相互関連性
互いの間には垣根がないこと、別々に存在することは互いを遮断することではないということを本書を通してより感じます。
理想であることとして、
「全員で一つの個」でありながら、「それぞれの自己」があるという精神=「ただ一つの精神」であるという点に共感いたします。
それらは離れていても存在していますし、集まった時には、離れてなどいなかったかのような存在があることが重要であると認識しました。
また、一心に取り組む姿勢としても、
・組織の中では100パーセントにはならない
・それができないなら、忘れるしかない
という視点でも合点がいきました。
行動のあれこれ、ではなくあり方に立ち返る一冊でした。
一心に取り組み・信じ・つながること。
その意識・行動にこそ、いざというときに必要な結果を引き出すことができる。
まさにシンクロニシティという一つの結果を生み出せるのかなと思いました。
未来のイノベーターはどう育つのか ―子供の可能性を伸ばすもの・つぶすもの
トニーワグナー 著
藤原 朝子 訳
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●本書について
初版は2014年、その後2019年までに3刷されています。
イノベーションを起こす人の資質、
その成長のための視点を記しています。
エンジニア、起業家、デザイナー等イノベーターと言われた方々への取材レポートを例に主に進んでいきます。
●本書をおすすめする理由
私には3歳になる息子がいます。
息子も今月から保育園に入ります。
彼にとって、大きな環境変化と共に、私たちもいかに変化していくべきか、
と妻と対話する時間が多くなってきた時に
本書が目に入りました。
さて、本題ですが、
本書はまず、教育本とか子育て本ではありません。
物事の全容を俯瞰して覗き、それらを革新する。
イノベーターである思考とその環境づくりを未来へ向けて、という事で次世代を育てるための書になっています。
3つの視点
・遊び
内的モチベーションは"遊び"からなる。
そして、"遊び"とは"いたずら"という独創性
を潰さない事。
本書に15階ビルの屋根にパトカーを置いた大学生のいたずらを例に、
「困難な状況下で何かを短時間かつ、予算ゼロでやり遂げる。それは最高に名誉で愉快な事だ。
彼らは、事前に許可を求めなかったし、騒動後に許しを求めることもなかった」
・情熱
内的モチベーションを育む。
自分の関心、満足感、挑戦意識からなる内側からのモチベーションこそ持続的にクリエイティブな発想を生み出せる。
→現に、私の属する組織でも外因的にモチベーションを高めようと躍起です。
(馬の目の前に人参ぶら下げて走らせる)、ですね。
・目的意識
「純粋な情熱だけでは、困難な物事をやり遂げたり、辛抱強さは維持できない。
それは、愛でも仕事でも同じだ。」
→情熱を持続化する為に、クリエイティブな遊びを続け、情熱を傾ける対象を具体化する事が重要ととらえました。
「イノベーションは不服従とは切り離せないが、イノベーターになって銀行強盗をしていたら始まらない」
こと子育てにおいては、
遊び=自由
ここが前提だが、自由の中に限界、境界線、秩序は必要。
このリードバランスを間違えない事が重要とあり、納得です。。
ビジネスパーソンとしても、
遊びを見つける内的モチベーションに気づく事。
遊びが情熱、目的意識と発展していくことこそが重要ですし、
大人の遊びが必要だなと認識しました。
最後に、遊びを見つける場所も非常に重要ですし、不服従である事を許さないのが私の知る組織でした。
本書を通じて、さらに、遊びを利かせられる環境下へと自分も投じていこうという決意をさらに高められました。
一読の価値ありと思いますので、
ぜひお手に取ってみて下さい!